セラピストGoGo

Washizu Go(わしず ごう)1990年静岡生まれ。平成25年理学療法士免許取得。ヨガインストラクター。パワーリハビリテーション研究会研修終了。大学との連携で運動プログラムの提供、「運動」と「笑い」で健康寿命を延ばす施設。AOIデイサービスの施設長として勤務。

【若返り効果】細胞を若々しく保つのにエクササイズが必要!?

数年前、健康に関してバズった言葉のひとつが「テロメア」だ。

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これは染色体の末端にある保護キャップで、シューレースの先端についているプラスチックのようなものだという比喩もある。

 

この保護キャップは細胞が分裂するたびに少しずつ失われ、あまりに短くなり過ぎると細胞は適切に分裂できなくなる。そのため、テロメアの長さは生物学的な"老化"のマーカーのひとつと考えられているのだ。

 

ランナーたちにとって朗報なのは、2010年頃に始まった一連の研究から、持久力訓練は年齢を重ねるにつれてテロメアの長さを保持すると示されたことだ。例えば、2013年に行われた超長距離を走るいわゆる"ウルトラランナー"に関する研究では、ランナーでない人と比べると彼らのテロメアは11%長く、生物学的年齢が16歳若いことに匹敵することがわかっている。

 

だが、どのくらいランニングすれば、テロメアにメリットがあるのだろう? 少しでいいのか、それともかなりの距離を走らなくてはならないのだろうか?

 

ブリガム・ヤング大学運動科学教授のラリー・タッカー博士はテロメアの長さについて3つの研究を発表しており、どれも興味深い洞察をしている。まず、2017年に『Preventive Medicine』に掲載された研究では、1回のエクササイズの量についての疑問に取り組んでいる。

 

タッカーは、アメリカの国民健康栄養調査から成人6000人のデータを分析し、彼らのテロメアの長さ(DNAテストで判定)と自己申告による身体的活動パターンを比較した。エクササイズした人は確かにテロメアが長かったが、それはもっとも多くエクササイズしたグループのみだった。

 

テロメアの長さを表す単位は塩基対で、調査したグループのテロメアの長さの平均は5828塩基対、年齢が1歳上がるごとに15.6塩基対短くなっていた。

 

年齢層やライフスタイルの違いを調整した上で、身体的活動量が高レベルのグループの細胞は、座りっぱなしのグループの細胞より約9歳若かった。

 

興味深いことに、座りっぱなしのグループと身体的活動が低レベルと適度なグループの間には目立った差はなかった。つまり、メリットを得るには、もっとも高レベルの身体的活動をする必要があるのだ。

 

では、運動量に換算すると、どのくらいに相当するのだろう? タッカーは研究に基づき、女性なら1週間に5日、1日約30分のジョギング、男性の場合は40分を5日間の運動量が分岐点と判定している。

 

それだけではない。タッカーは2017年の『Journal of Nutrition, Health, & Aging』にも同様のデータの分析を掲載し、ナッツやシード類の消費量を見ている。それによると、多く食べるほどいいとのこと。総エネルギー摂取量の約3%をナッツやシード類から摂っている人は、テロメアの長さが1歳“若かった”。

 

そして最後に彼は、2017年の『Nutrition & Metabolism』にもさらなる分析を掲載し、カフェインとコーヒーの影響について見ている。このケースでは、結果を分析、解説するのは少し厄介だ。簡潔に言うと、カフェインはテロメアを短くする(悪い点)が、コーヒーは長くする(良い点)。

 

カフェインはDNAの修復を阻害し、染色体を破壊するかもしれないという過去のエビデンスがある。一方、コーヒー自体(デカフェでも)には有益になり得る抗炎症物質が含まれている。では、どちらが勝るのだろう? それは、コーヒーがどのくらい強いかなどさまざまな要因による。

 

総合的に見ると、毎日100mgのカフェインを摂取した人は、テロメアが35.4塩基対短かった(コーヒー摂取量などの調整のうえ)。対照的に、毎日100gのコーヒーを摂取した人のテロメアは15.0塩基対長かった(カフェイン摂取量などの調整のうえ)。

 

例えばスターバックスのグランデサイズ(16オンス=約473ml)のミディアムローストコーヒー(例えばパイクプレイス)には300mgのカフェインが含まれているので、カフェインから106塩基対を失うのと引き換えに、コーヒーから68塩基対を得ていることになる。1日あたりのカフェイン摂取量がこの程度なら、大した問題ではない。だが、もっと摂取量が多ければ、影響は拡大する。


総合的に見ると、大規模な疫学調査からコーヒーの影響は概してニュートラルもしくはポジティブな結果が出る傾向にあった(とはいえ、カフェイン代謝の遺伝子が、個人の肯定的と否定的な影響のバランスを左右する可能性がある)。それでも、このデータは健康に良いのはカフェインではなく、コーヒーだという説を支持するものだ。

 

結論として、テロメアの研究者たちは今も新しい情報を発見しようとしているが、現時点では、ランニングが健康増進と長寿のためにいい方法だということのようだ。

 

 

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