セラピストGoGo

Washizu Go(わしず ごう)1990年静岡生まれ。平成25年理学療法士免許取得。ヨガインストラクター。パワーリハビリテーション研究会研修終了。大学との連携で運動プログラムの提供、「運動」と「笑い」で健康寿命を延ばす施設。AOIデイサービスの施設長として勤務。

【軽度うつ病】「なんか不調だな~」を放置すると危険!?

「季節の変わり目でなんとなく眠りにくい、イライラする。まあ命に関わるわけもないし、これで病院行くのもなあ」…その不調、放置したままでよいのでしょうか。思わぬリスクが潜んでいるかもしれません。

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放置すれば寿命を縮める危険もある
イライラ、肩こり、不眠などの症状は、すぐには命に関わるわけではありません。我慢をしようと思えば、なんとか耐えられる程度の苦痛であることが多いものです。

 

そのため悩みを抱えていても、だましだまし頑張り続けてしまう人も珍しくありません。しかし我慢を続けた結果、大きな病気につながる危険性があります。

 
たとえば、うつ病です。昔から言い伝えられているように、こころとからだは密接につながっているのです。

 

つらい不調に悩んで通院したり、検査を受けたりしても病名がわからない場合、「原因不明」という事実が患者のこころに重くのしかかり、うつなどの重篤な症状に至る可能性もゼロではありません。対症療法的な薬や、気分を落ち着かせるための薬を処方してもらい、飲み続けていたとしても、このようなケースは起こり得ます。


しかし、突然に重度のうつ病を発症するわけではありません。多くの場合は軽いうつ病から重いうつ病へと段階的に移行していくものです。典型的なうつ病の前の段階では「軽症うつ病」の症状が現れます。

 

軽症うつ病という病名から、軽く見てしまう人がいるかもしれません。しかしながら、「軽度のうつ病だから放置してよい」ということでは決してありません。たとえ軽いうつ病であっても、治療の対象になります。早期に気づいて、進行させないように努めることが大事です。軽症うつ病の一般的な診断基準は次の通りです。

 

①うつ病の症状が、すべて出ているわけではない。
②会話や表情、態度などの外見では、憂うつ症状はあまり目立たない。

③食欲は極端に落ちてはいない、体重減少も目立たない。

④自殺念慮は少ないため、基本的に外来通院で治療が可能。

⑤身体症状(不定愁訴)や、神経症(「重い病気ではないか」という不安)の傾向が目立つ。

⑥興味や喜びなどのエネルギーは低くなっているが、趣味や人づきあいなどは無理すればできる。

⑦力や根気は落ちているが、仕事や社会生活、日常生活はなんとかできる。

 

軽症うつ病の特徴は、「少し頑張れば日常生活が送れること」です。また、外見的に「しんどそう」「つらそう」といった印象を相手に与えにくいことです。たとえば、元気そうに見えていても、実は不定愁訴(原因となる目立った病気は見つからないが、漠然とした不調があること)に苦しめられているという状態です。本人しかわからない苦痛であるため、家庭や職場などでも周囲に気づかれないことが多いのです。

 

やっかいなことに、軽症うつ病とは症状が典型的なうつ病とは異なるため、受診しても判断がつかないことがあります。そうなると適切な治療には至らなくなってしまいます。

 

軽症うつ病は、名前を聞いただけでは重篤な病気に感じにくいのですが、実は重度のうつ病以外にも過呼吸症候群や膠原病(こうげんびょう)などといった重い病気に移行するリスクがあります。その中でも膠原病は、自己免疫疾患の一種で、ひとつの病気の名前ではなく、全身に症状の出る疾患の総称です。

 

リウマチといったおなじみの症状から、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、ベーチェット病などさまざまな症状があります。膠原病も原因が解明されていないため、根治的治療法が見つからない難病とされています。

 
膠原病の大きな特徴は、なんといっても自己免疫疾患であることです。平たくいうと「本来は自分のからだを守ってくれるはずの免疫機構が、なぜか自分のからだに対して過剰に反応してしまう」という状態です。

 

さまざまな不調を軽く見ていた場合、からだにまつわる大病を発症する恐れもゼロではありません。気をつけたいのは「高血圧」や「高血糖」など生活習慣病にまつわるリスクです。これらの病気は重症化すると、寿命を縮める恐れがあります。

 

「う~んとりあえずお薬出しときますね」のむなしさ
原因不明の不調には、明確な治療法がありません。そのため、医療機関でも病名がつけられないまま薬が出されることがあります。

 

薬といっても、痛みを一時的に緩和するような対症療法的な薬がほとんどです。もちろん、病状が改善することはありますが根本的な治療には至りません。

 

総合病院を受診した場合、次々と違う診療科をすすめられることもあります。たとえば、腹部に問題がある女性の場合であれば、まず内科を受診します。しかし根治させることができずに、次は消化器科をすすめられ、消化器科でも診断がつかず婦人科をすすめられ……といった具合です。

 

そのような状態を、言葉は悪いですが「たらいまわし」と称する人もいます。次々と診療科を回らなければいけないというのは、本人にとって非常につらい状態です。

 

また、「たらいまわし」されている状態をようやく終えて、適切と思われる診療科にようやくたどりつけたとしましょう。やはり最終的には「病名がつかない」と医師から告げられることがほとんどです。「病名がわからない」という状態ほど、不安定な気持ちになるものはありません。

 
それは医師としても、ほぼお手上げということだからです。「原因不明」「治療法がない」という、ある意味「宙ぶらりん」の状態のつらさは相当なものに違いありません。

 

患者によっては、痛みが原因不明であることや、治療法が見えてこない状態が精神的なストレスになり、からだの症状をより悪化させることにもつながります。中には、あらゆる検査を受けても、心身の異常が見つからなかったということさえあるようです。

 

多くの時間を費やして通院し、「痛みをとりたい」「苦しさから解放されたい」と努力をされている患者も多く存在します。さらにこれらの症状には「症状が多様で一定しない」というやっかいな特徴もあり、治療の困難さに拍車をかけています。

 

たとえば「こんなに頭が痛いから、明日は朝から病院に行こう」と考えていたとしましょう。実際のところ、翌日になると頭痛はすっかり消え去っていることもあるのです。

 

そして、「もう受診をしなくていい」と安心していると、その次の日はまた症状が起こるなどということも珍しくありません。このような状態では、病院に行くかどうか、判断に迷ってしまいます。

 

またさまざまな症状が日によって変化して現れることも、患者を困らせる特徴のひとつです。

 

たとえば「最近腰痛が続いているから、整形外科に行かなくては」と思っていたところ、ある日突然腰痛はおさまり、代わりに動悸と息切れが起こって、呼吸が苦しくなってくるようなこともあります。これでは整形外科を受診すべきか、それとも呼吸器科なのか、あるいは別々に両方受診すべきなのか、わかりません。

 

「ストレスですね」で片づけてしまう医師もいるが…
ここまで見てきたように、原因不明のつらい不調は単なるからだの問題といったレベルにとどまらず、うつ病などの予期せぬリスクをはらんでいます。しかし医療機関では不定愁訴と診断がつくと、投薬などによる対症療法で片づけられてしまうことが多いものです。治療法はもちろん、その原因についても「わからない」と匙(さじ)を投げられてしまうことさえ珍しくなく、医師によっては、ストレスのせいだと片づけるだけのところもあります。

 
では、まったく原因がわからないかといえば、そうではありません。多くの人が「原因不明」と思い込んでいる不定愁訴には、自律神経が関係しているのです。

 

自律神経は、交感神経と副交感神経から成り立っています。もちろん、目に見えたり、手で触れられるものではありません。そのため自律神経の乱れに気づくことができる人は、ほとんどいないでしょう。また、医療からのアプローチだけで自律神経の調整をしたり、治療をしたりということも困難です。

 

自律神経の乱れに起因した症状が見られる場合、「自律神経失調症」という病名がつくことがよくあります。自律神経失調症の症状は、不定愁訴のそれと非常によく似ています。自律神経失調症の定義は、「検査を行っても、器質的な病変はないのに、種々の不定愁訴を訴える状態」とされています。つまり、「自律神経が乱れることで、さまざまな不定愁訴が見られる状態」が自律神経失調症なのです。

 

自律神経の働きは、何が原因で、乱れるのでしょうか。

そもそも神経には「体性神経」と「自律神経」の2種類があります。「体性神経」とは、簡単にいうと「(手足などの)からだを自分の意思で動かすための神経」です。

 

一方「自律神経」とは、体温をうまく調節したり、血圧をコントロールしたり、消化器を適切に機能させるなど、「自分の意思とは関係なく働く神経」です。私たちが通常無意識にうまく行えている呼吸や循環、消化、排泄、発汗、体温調整、睡眠などをコントロールしてくれている「縁の下の力持ち」的存在です。

 

不調が現れてから、ようやくその存在に気づく…
自律神経は、生命活動を維持するための重要な働きを担っているにもかかわらず、私たちはそれをまったく意識することがありません。自律神経が乱れて心身に不調が現れてから、ようやくその存在に気づく……というくらい、その働きは当たり前のものとなっています。

 
さらに自律神経を詳しく見ると「交感神経」と「副交感神経」に大別されます。この2つの自律神経は、興味深いことに、正反対の働きをしています。たとえば、副交感神経には「血管を拡張して血圧を下げる」という役目がありますが、交感神経は反対に「血管を収縮させて血圧を上げる」ものです。

 

交感神経は、仕事や運動時に心臓の拍動や血圧を高めて、精神活動を活発にします。主に昼に、活発になります。そして副交感神経は、睡眠や休息時に働く神経で、心臓の拍動を鎮め、精神活動を休めます。自律神経はからだの機能に限らず、感情の変化にまで影響を及ぼします。

 

たとえば緊張したときや驚いたときは、交感神経が活発になり、興奮を覚えて心臓がドキドキしますが、緊張から解放されたときは副交感神経が優位になり、心拍が下がってこころも落ち着きます。

 

このように、副交感神経と交感神経という2つの自律神経は、車の両輪のようにどちらも大切な存在です。2つの神経は、常に休むことなくバランスを取り合い、心身の働きを安定させるために調整し合っているのです。健やかに過ごすためには、相反する働きをする交感神経と副交感神経のバランスが保たれていることが必須になってきます。

 

さらにいうと、自律神経はホルモンとも密接な関係があります。自律神経の乱れは、月経周期の不順、また不妊症などの遠因にもなりかねません。実際のところ、女性ホルモンが減少している更年期の女性は、自律神経失調症に特になりやすいのです。

 

自律神経とは、からだのすべての器官をコントロールする指揮者のような存在、いわば制御装置といえます。そのため自律神経がいったん乱れると、その症状はからだの特定の部位に限らず、あらゆるところに現れてしまうのです。頭、全身の皮膚、目、耳、肩、背中、腰、関節、消化器、循環器、生殖器、精神面など、症状が出る部位は枚挙にいとまがありません。当然のことながら、現れる症状も千差万別です。

 

「疲れがとれない」「なんだか熟睡できない」「食欲がない」「手足がむくむ」「冷える」「肌が荒れる」といった不調から、慢性的な痛み、月経不順まで症状は多岐にわたります。また、複数の症状が同時に発症することも決して珍しくはありません。それほど自律神経は重要な存在なのです。

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