どこまでが正常で、どこからが発熱なのか!?
正常な体温とは?
ドイツ人の医師、カール・ウンダーリヒが1880年代に決めた正常な体温は、37度。最近では、別の数字を“正常”とする研究結果が増えており、そのうちの1つ、科学情報誌『eLife』に掲載された2020年の論文によると、平均的な体温は36.6度くらい。
米国立医学図書館によると、正常な体温は個人の年齢、活動量、検温の時間帯などによって変わるため、明確には決まっていない。36.1度でも37.2度でもいいけれど、大半の医師が正常とみなすのは37度という。
自分の正常な体温を調べる方法
繰り返しになるけれど、正常な体温は人それぞれで、検温の時間帯によっても変わる。感染症エキスパートのラジーヴ・フェルナンド医学博士によると、夜は体温が上がる傾向にある。自分の正常な体温を調べたいなら、体調が良好な日の同じ時間に、同じ種類の体温計で測ってみよう。フェルナンド医師が言うように、多少のばらつきはあっても、似たような体温が表示されるはず。
何度から発熱になる?
米国疾病管理予防センターによると、38度以上は「熱がある」状態。正常な体温と同じく、熱にも単純明快な答えはないけれど、体に触れると熱いときや、(体温を測らなくても)熱っぽいと感じるときは発熱が疑われる。また、熱があると、顔がほてったり、目がとろんとしたり、寒気を感じたりすることもある。
体温が正常よりは高いけれど、高熱レベルではない時は?
コロナ禍で体温が上がれば、38度に達しなくても不安になるのは当然のこと。「発熱は、新型コロナウイルス感染症の紛れもないサインですから」とフェルナンド医師。体温が上がったら医療機関に電話して、あなたにとって正常な体温(分かっている場合のみ)と現在の体温を知らせよう。
医療機関では、それ以外の症状の有無も聞かれる。コロナウイルス感染症では、発熱、乾いた咳、息切れだけでなく、疲労、喉の痛み、頭痛、下痢、嗅覚の喪失にも要注意。
「体温だけで判断するのはやめましょう。体調が崩れたら、熱がなくてもその時点で問題と考えてくださいね」とフェルナンド医師は警鐘を鳴らす。