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Washizu Go(わしず ごう)1990年静岡生まれ。平成25年理学療法士免許取得。ヨガインストラクター。パワーリハビリテーション研究会研修終了。大学との連携で運動プログラムの提供、「運動」と「笑い」で健康寿命を延ばす施設。AOIデイサービスの施設長として勤務。

【老化】体力・頭脳に影響?実際の年齢よりも「肉体年齢」が重要!?

老化スピードは中年期で既に大きな個人差

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老化のスピードには人それぞれで大きく異なり、生物学的な老化のスピードが速い人は、45歳までに身体機能や外見上の高齢化が進んでいることが、米デューク大学のMaxwell Elliott氏らの研究で明らかになった。

 

同氏らは、「われわれの老いに対する見方を変える必要があることを示した研究結果」と話している。研究の詳細は「Nature Aging」に3月15日発表された。

 
Elliott氏は、「老いは生涯にわたって続くプロセスだ。60歳になって突然老い始めるわけではない」と指摘する。

 

かくしゃくとした鋭敏な80歳の人がいれば、複数の病気や障害を抱える50歳の人もいる。その違いを暦年齢だけで説明できないことは明らかだ。

 

こうした違いは、生物学的な老化により説明できる。しかし、具体的にどの時点からそれが加速するのかについては、これまで不明だった。

 

Elliott氏らは今回、1972〜1973年に出生した1,037人のニュージーランド人を45歳まで追跡したデータを分析した。

 

対象者の生物学的な老化のスピードは、26、32、38、および45歳時に測定した心血管や代謝、免疫、歯、肺、腎臓などの機能に関わる19種類のバイオマーカーの結果に基づき、定量化した。

 

その結果、生物学的な老化のスピードには、大きな個人差があることが明らかになった。例えば、暦年で1歳年を取るごとに、生物学的には0.40歳しか年を取らない人がいる一方で、2.44歳も年を取る人がいることが判明した。

 

また、老化のスピードが速い人には、同年代の人と比べて遅い歩行速度、弱い握力、低いバランス能力、視力や聴力の低下などの高齢者に典型的な特徴が認められた。

 

さらに、老化のスピードが速い人と、そうでない人との間には、頭脳の明晰さにも違いが見られた。

 

例えば、前者では後者と比べて知能指数(IQ)検査の平均スコアが低く、脳のMRI検査からは、皮質厚や皮質表面積の減少など、認知機能の低下を示す所見が多く認められた。
 
そのほか、老化のスピードが早い人は、外見が実年齢より上に見え、老化について否定的な見方をする傾向が強く、75歳まで生きられないと考えている人が多かった。

 

Elliott氏は、「45歳という比較的まだ若い段階で、生物学的な年齢の差がこれほど大きく開いていることに驚いた」と話す。

 

ただし、40代で既に自分が年を取ったと感じていても、失望する必要はない。健診を受け、血圧を管理し、運動や健康的な食生活を始めるのに遅すぎることはないからだ。「過去を変えることはできないが、介入により状況を変えていく時間は十分にある」と同氏は言う。

 

さらにElliott氏は、この研究結果をより広い見地で捉えて、暦年齢を重視するのはやめるべきだと主張する。

 

そして、「生物学的な老化のスピードに対する早い段階での介入は、命を救うことにつながるとともに、QOLの向上をもたらす」と話している。(HealthDay News 2021年3月18日)