自律訓練法で自己催眠をかける
就寝時刻が迫ってもリラックスできないと感じたら、試したいのは、自律訓練法。一種の自己暗示だ。
「カラダの内面に意識を向けて雑念を払い、副交感神経を優位にする調整法です。大事な試合の前夜、気持ちが高ぶって寝付けないアスリートにも自律訓練法を薦めており、入眠しやすくなると好評です」(トレーナーの中野ジェームズ修一さん)
自律訓練法には長い歴史があり、副交感神経がオンになるというエビデンスは多いけれど、フルコースでやるのは大変。そこで今回はトレーナーの中野さんに、短時間で自律訓練法のエッセンスが味わえるショートバージョンを教えてもらった。
最後に呼吸の長さに注目する以外は、あえて回数を決めず、ゆったりした動きに意識がしばらく向けられたらOK。
① 胸郭の動きに意識を向ける
床にあぐらをかいて坐る。
両手を肋骨の下に添える。
鼻からゆっくり深く息を吸って胸郭を広げたら、
口からふーっとゆっくり深く息を吐いて胸郭を閉じる。
両手で胸郭の動きを感じつつ、
意識をしばらく呼吸に向ける。
② 心拍に意識を向ける
両手を心臓(みぞおち)に重ねて軽く押さえる。
鼻から息を吸い、
口から息を吐く呼吸を普通に続けながら、
両手で心臓のトクトクした拍動を感じつつ、
しばらく意識を向ける。
③ 脈拍に意識を向ける
外側から巻き付けた手の中指で脈拍を取る。その真下に橈骨動脈が走り、脈拍を感じやすい。
手首の外側から反対の手のひらを巻き付け、
その手首を心臓(みぞおち)の高さに持っていく。
鼻から息を吸い、
口から吐くゆったりとした深呼吸をしながら、
脈拍を指でしばらく感じる(注意散漫になるので、脈拍はあえてカウントしない)。
左右どちらかの腕で行えばOK。
④ 呼吸の長さに意識を向ける
両手をヘソに重ねて軽く押さえる。
4カウントで、鼻からゆっくり深く息を吸ってお腹を膨らませる。
8カウントで、口からゆっくり深く息を吐いてお腹を凹ませる。
最後はあえて回数をカウントして呼吸の長さを意識する。
これを6回繰り返す。