セラピストGoGo

Washizu Go(わしず ごう)1990年静岡生まれ。平成25年理学療法士免許取得。ヨガインストラクター。パワーリハビリテーション研究会研修終了。大学との連携で運動プログラムの提供、「運動」と「笑い」で健康寿命を延ばす施設。AOIデイサービスの施設長として勤務。

【脳科学】年齢は関係ない?脳の老化が進む人とは!?

1万人以上の脳画像を診断してきた、脳内科医の加藤俊徳氏。

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加藤氏によれば、脳は一生成長し続けることが可能だという。そのために必要なのが、いまだ使われていない「潜在能力細胞」を目覚めさせること。脳を刺激し、40~50代からでも成長させる方法をうかがった。

 

脳は「成長するか」「衰えるか」の二つに一つ
人間の脳は3歳までにほぼ成長し、大人になるともう成長しないと考えられていましたが、そのようなことはありません。長年、脳画像を研究してきてわかったのは、使い続ける限り人間の脳は、いくつになっても成長し続けるということです。

 
しかも、私たちの脳には、大人になっても使われずに眠ったままの「潜在能力細胞」が膨大に残されています。それらを目覚めさせれば、死ぬまで脳を成長させることができるのです。

 

その一方で、使わなければ、脳は衰えていきます。使わないものは不必要なものと認識されるので、使わない脳細胞から衰えていくのです。

 

子供は好奇心旺盛で、色んなことを貪欲に学んでいくため、脳もどんどん成長していきます。ところが、大人になって学ばなくなると、脳の成長が鈍化して、結果的に衰えを感じるようになるというわけです。

 

つまるところ、脳は「成長しているか」「衰えているか」の二つに一つしかありません。「脳の老化」とは、脳の成長が緩やかになることだと私は考えています。

 

加齢により脳に「錆び」が溜まりやすくなる
脳の老化のもう一つの要因に、アミロイドβという老廃物の蓄積があります。

 

脳を使うと、酸素が消費され、酸化によって老廃物が生じます。脳の老廃物とは、いわば脳が酸化してできた「錆び」のようなものです。この錆びが、40代後半になると脳内に溜まりやすくなります。

 

そして、アミロイドβが溜まりすぎると、脳の萎縮の引き金が引かれ、記憶障害などの症状が出現し、アルツハイマー型認知症に進展していくと考えられています。老廃物の蓄積を防ぐには、睡眠や食生活、運動などの生活習慣の改善が効果的であることが、近年の研究で明らかになっています。

 

まず、睡眠中には脳内の老廃物の排泄が促進されます。老廃物は覚醒時にも排泄されていますが、睡眠中にはそのおよそ1.5倍に増えるのです。

 

しかも、深い睡眠(ノンレム睡眠)では、記憶が定着すると言われています。つまり、クオリティの高い睡眠をしっかり取ることで、私たちの脳は老廃物を排泄し、さらに記憶力も強化され、老いない脳になっていくのです。

 

食べ物に関して言えば、ショートニングやマーガリンなどのトランス脂肪酸が含まれたものを食べると、老廃物が沈着しやすくなります。ですから、そういった食べ物を避けるのは、脳の老化防止に役立ちます。

 
また、運動をすることで、アミロイドβの蓄積を防ぐ効果があることもわかっています。これまでの話をまとめると、脳の老化を食い止めるには、脳を働かせて脳の成長を止めないことと、老廃物を溜めない生活習慣が大切なのです。

 

脳の老化防止には「赤ちゃん」を見習え⁉
では、脳を成長させるにはどうすればいいのでしょうか。

 

赤ちゃんの成長を考えると、私たちが脳の成長のために何をすべきかが見えてきます。

生まれたばかりの赤ちゃんには、皮膚感覚しかありません。手足を動かすことで、脳内の運動系脳番地と感覚系脳番地が育っていきます。「脳番地」とは、同じ役割を担う脳細胞の集団のことで、私が名づけました。

 

また、自分の泣く声や、周りの音を聞いたりすることで、赤ちゃんの脳内では聴覚系脳番地が育ちます。目を開けて光を見ることで、視覚系脳番地が育ちます。つまり、身体を動かし、見たり聞いたりして情報を取り込むことで、それらに対応する脳番地が刺激され、脳が成長していくのです。

 

これを私たちに置き換えると、やはり、動いて見たり聞いたりしながら、新しい情報に触れることが、脳の老化防止には重要だろうと思います。

 

一番いいのは、「人と会うこと」。オンラインよりも、身体を動かして直接会いに行き、自分の目と耳で確かめるのがいいですね。

 

私には40歳離れた20歳の子供がいますが、自分とは違う世代やバックグラウンドの人に会って、彼らが何を見て、何を考えているのかを観察すると、学びが多くあります。

 

他にも、仕事で知り合った人の意見や物の見方に耳を傾けてみると、自分が思いもしなかったことに気づきます。人との交流や人間観察は、脳を衰えさせないための最適な手段なのです。

 

日常生活のマンネリを打破する脳の使い方
情報の入力器官として、視覚や聴覚だけでなく、味覚、触覚、嗅覚などの五感を意識的に使ってみるのも、脳の活性化には効果的です。日常生活でできる、五感を使った脳番地の鍛え方をいくつかご紹介しましょう。

 
忙しいビジネスパーソンの中には、「手軽で時短になる」という理由から、コンビニ弁当を頻繁に利用する人も多いと思います。コンビニ弁当が悪いわけではありませんが、味がマンネリになると脳への刺激がなくなるので、たまには美味しいスイーツなどを買ってきて、味覚の変化によって気分が変わることを体感してみるといいでしょう。

 

私の趣味は、高級茶葉の飲み比べです。種類ごとに匂いが違うので、その時の気分で選んで、風味を楽しんでいます。少々値は張りますが、希少価値のある茶葉だと聞くと、味わって飲もうという気持ちになります。

 

マンネリになりがちな通勤時間も、いつもより1時間早く家を出たり、いつもとは違う駅から乗車するだけで、見える空の色や風景が違ってきます。これが視覚系脳番地への刺激になります。

 

いずれにしても、五感をフル活用した実体験を伴う経験を、日常生活の中で増やしていくことが、老いない脳を作るには大切です。

 

「楽しくない」のは脳が動いていない証拠
今、申し上げた通り、慣れやマンネリも脳が衰える原因になります。

 

どんなに高度なスキルや知識を必要とする仕事でも、継続すれば慣れてきます。仕事に慣れて効率がアップするのは望ましいことですが、その反面、脳を使わなくなるので、脳への刺激は減ります。先ほど述べた五感の活用と併せて、いかに日常の中に自分なりの発見と、少しの変化を作り出すのか。これを意識したいものです。

 

例えば、新しいスポーツを始めてみる、新しいプロジェクトを立ち上げてみるなど、新しいことへの挑戦は潜在能力細胞を刺激し、自分にとって新たな学びになります。

 

新たな発見や喜び、楽しみ、驚きなど、脳は新鮮なものに刺激されやすい性質があります。一方、新鮮なものに反応しなくなり、古い記憶を反芻するだけの状態が、認知症です。認知症が進むと、新しい情報を取り入れて、過去の記憶と照らし合わせながら現在を作っていくことができなくなるのです。

 

そうならないために、大人こそ、もっと学び、色んな新しいことを吸収していかなければなりません。脳が成長する仕組みが、それを要求しているということです。

 
その際のキーワードは、「自分自身が楽しむ」こと。「楽しい」という感覚は、脳が働いている状態なのです。

 

反対に、「楽しくない」とか、「やりたくない」と感じるのは、自分の脳が働いていないから。興味のない話を聞いて「つまらない」と感じるのは、脳への刺激が不足して脳が働いていないから、当然なのです。

 

だからといって、その状態に甘んじていると、脳が衰えていきます。どうすれば自分の脳が楽しめるのかを、柔軟に考えていくことが大切です。

 

例えば私なら、同じテーマで取材を受ける場合でも、「絶えず違うことを話す」とか、前例のある仕事でも「他人のマネは絶対にしない」とか。楽しく仕事するためにどうするかを考えることで、再び脳が働き始めるのです。

 

利き手と逆の手で歯磨きをしてみよう
普段、使っていない脳を使うことも意識してみてください。例えば、右利きの人が意識的に左手を使うようにすると、脳に刺激を与えることができます。

 

そもそも右利きの人は、左手をほとんど遊ばせているため、左手の動きを司る右脳が未熟で、スカスカな状態です。使っていなかった右脳に新たな刺激を加えるために、左手で歯磨きをしたり、ガスの元栓を左手で締めてみたり、ドアの開け閉めも左手を使うなど、これまで右手を使っていた動作を左手でしてみましょう。

 

最初は面倒に感じるかもしれませんが、赤ちゃんだって面倒臭がらずに未熟な脳を刺激して成長しているわけですから、大人の私たちが面倒だなどと言っていられません。

 

少しだけ負荷のかかる挑戦を楽しみながら、未使用の潜在能力細胞を活性化させましょう。毎日続けていくうちに、きっと面倒臭くなくなるはずです。その時こそ、脳が成長した瞬間です。

 

このように、脳の成長に必要な学びは学校の勉強だけではありません。身体を動かしたり、五感を使ったりして、脳番地に満遍なく刺激を与えていくことが脳の老化防止には重要です。

 
そして、脳の使い方は、その人の生活パターンに大きく影響されます。脳に刺激を与えて脳を成長させるという視点から、自分の生活パターンを見直してみるのもいいかもしれませんね。

 

元気な100歳の「自分なり」の健康活動
最後にご紹介するのは、脳トレです。脳トレにも色んな種類がありますが、数字で計算したり、文字を読んだり、絵を識別したりすることで、それぞれに対応する脳番地が刺激されるので、色んな脳を使う訓練になります。脳トレによって脳が活性化されることは、研究結果からもある程度わかっています。

 

以前、ある番組の企画で100歳以上の方にお会いする機会がありました。100歳を超えても元気な方は、健康維持のための食生活や運動習慣、知的活動を自分なりに持っていらっしゃいました。つまり、自分の健康状態に注意を向け、老化防止のための活動を意識的に日常生活に取り入れているのです。

 

何もしないでいると脳も身体も衰えていくことに、自覚的でいましょう。自分なりの老化防止策を実践することで、老いない脳を手に入れてください。

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