セラピストGoGo

Washizu Go(わしず ごう)1990年静岡生まれ。平成25年理学療法士免許取得。ヨガインストラクター。パワーリハビリテーション研究会研修終了。大学との連携で運動プログラムの提供、「運動」と「笑い」で健康寿命を延ばす施設。AOIデイサービスの施設長として勤務。

【認知症】発症率を低減するために!「予防」は「治療」!?

今回からは、認知症の予防法について考えていきたいと思います。病気は予防できるなら予防するに越したことはありません。

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病気の「予防」というのは常に「治療」に勝るほど重要なステップです。これは、交通事故とそれによる怪我を例に挙げれば分かりやすいかもしれません。

 

医療が発達しても交通事故は防げない
残念ながら、車に乗っている限り、交通事故は完全に防げるものではありません。しかし、シートベルトを締め、エアバッグを装着することで、万が一事故にあってしまっても衝撃を抑えたり、怪我を軽減したりすることができるでしょう。あるいは、自動車に衝突被害軽減ブレーキなどの安全運転支援システムを搭載することで、衝突事故そのものも減らせるかもしれません。

 

これらは、事故や事故による怪我をゼロにするものではないかもしれませんが、安全性を高めてくれることに疑いの余地はありません。ここで言うシートベルトやエアバッグ、自動車の衝突被害軽減ブレーキなどが全て事故による大怪我という病気の「予防」にあたります。


一方、医療も発達してきていますので、大きな交通事故が起こり、仮に頭の中に出血を起こしてしまっても、手術の成功率が向上したため、頭の中の出血で命を落とす人の数は減り、助かる人は増えたと思います。

 

しかし、いくら治療成績ばかりが向上したとしても、交通事故や怪我の確率を変えることはできません。怪我をした人の命をどのぐらいの確率で救えるかという戦いをしなくてはなりませんし、命は救うことができたとしても、後遺症に苦しむ人は減らせないかもしれません。
 
このような理由から、治療の向上はもちろん重要なピースではあるものの、シートベルトやエアバッグを装着しなくていい、予防はいらないということにはならないとお分かりいただけると思います。

 

病気の予防も同じで、病気の可能性をゼロにしてくれるような予防というのは残念ながらありません。しかし、リスクを可能なかぎり低減するのに役に立ちます。治療の進歩が予防の重要性を変えないのも、全く同じ理由です。予防というのはあらゆる病気にとって、とても重要なステップなのです。

 

特に、認知症の場合、最大の原因疾患であるアルツハイマー病に劇的に病状を改善するような治療法は、残念ながら見つかっていません。以前、一部に治療可能な認知症があるということも紹介しましたが、ほとんどの認知症には症状をよくできるような治療がありません。だとしたら、予防の重要性はなおさら高そうです。

 

認知症の発症率が減少しているという報告も
では、認知症の予防はできるのでしょうか。

 

結論から述べてしまえば、実際には、認知症の予防にも良質な科学的根拠のあるものがないというのが現状です。さまざまな研究が行われてきているのは間違いありませんが、残念ながら、ある単一の介入が認知症の予防につながったということを示す良質な研究がいまだにありません。

 

これは、もしかすると治療法が見つかっていないことと共通で、アルツハイマー病の原因がまだ完全には明らかになっていないこととも関連するのかもしれません。根っこを掴むことができないと、予防も治療もなかなか難しいのです。

 

いやいや、世の中には「認知症を防ぐ食事法」「認知症にならない栄養」などといった書籍や広告がたくさんあるじゃないか、と思われるかもしれません。しかし、それらは科学に忠実ではないものばかりであり、十分な科学的根拠を欠く仮説でしかありません。そして、何より注意しなければならないのは、仮説はよく間違うということです。


一方、楽観論もあります。複数の先進国から、認知症の発症率が年々減少しているとする報告があるのです(参考文献1)。これはもしかすると、私たちが今行っている介入が何らかの形で認知症を減らすことに寄与しているのかもしれません。

 

有効な方法が明らかではないものの、さまざまな介入を組み合わせることで、認知症が予防できているのかもしれません。

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