セラピストGoGo

Washizu Go(わしず ごう)1990年静岡生まれ。平成25年理学療法士免許取得。ヨガインストラクター。パワーリハビリテーション研究会研修終了。大学との連携で運動プログラムの提供、「運動」と「笑い」で健康寿命を延ばす施設。AOIデイサービスの施設長として勤務。

【認知症と睡眠】深い関係!?人生の3分の1を占める睡眠の影響!?

記憶学習のためには、適切な「長さ」と「深さ」の睡眠が大切

f:id:washizugo:20210322083450j:plain睡眠には、日中に経験したこと、学んだことを、情報として保存し、整理する役割があると言われています。子どもの頃、睡眠時間がとても長いのは、発達が盛んで、覚えることがたくさんあるので、特に深い睡眠を適切な長さで取ることが必要だからです。

 

一方、老化に伴って、睡眠時間は短くなり、深い睡眠を取りづらくなるので、記憶学習にも影響があると言われています。

 

成人の睡眠時間は、個人差はありますが、翌日の頭の働きが良好で、日中に眠気を感じない程度の睡眠時間が適切でしょう。高齢者では、成人期に比べて1時間少ない程度が適切と言われています。

 

睡眠時間が短くなる、つまり睡眠負債がたまってくると、生活習慣病や脳卒中、がんなどのリスクだけでなく、認知症のリスクも高くなります。アメリカがん協会の大規模調査(※1)では、睡眠時間が、4.5時間未満の人は7時間睡眠の人と比べて15%以上死亡リスクが高かったと言います。また、別の研究(※2)では、睡眠時間が6時間以下の人は、認知症発症の有意なリスクであったとも言われています。

 

つまり、睡眠時間が極端に短いと、(認知症になる前に)死亡してしまうリスクが高く、睡眠時間が5~6時間の睡眠負債のある人は、認知症のリスクを抱えていると考えられます。

 

睡眠は「毎日の脳の掃除」と考え、睡眠障害を放置しない
脳には、「グリンパティックシステム」(※3)と呼ばれる仕組みがあり、深い睡眠中に、脳の老廃物の除去を行っています。アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドの除去も行われています。

 

人生100年間脳を使うと考えると、毎日良好な深い睡眠によって、脳の中を掃除しないと、老廃物だらけになってしまう、とイメージしてみてください。睡眠障害は、認知症のリスクであるとも言われていますので、眠れないことを放置するのはよくありません。

 

睡眠量を補う意味での昼寝については、60分以内の人は認知症の発症の頻度が低かった、という報告もあります(※4)。一方、睡眠時間が長すぎても脳出血のリスクや、筋力低下のリスクが上がってしまうと言われています。

 

睡眠中に大声を出したり歩いたりする「レム睡眠行動障害」
アルツハイマー型認知症の前段階である軽度認知機能障害(MCI)の人は、睡眠の質が低下しますが、自覚的に「よく眠れている」と答えることが多いと言われています。睡眠の質の低下を自覚しにくくなるので、注意が必要です(※5)。

 

アルツハイマー型認知症の人では、睡眠が短く、浅くなります。すると、不眠、断眠や昼寝の増加など、睡眠覚醒リズムの変化につながります。結果、横になっている時間が増えて体力が落ちたり、昼夜が逆転して夜間に出掛けてしまったりと問題行動につながることがあります。


睡眠は、夜だけの問題ではないと考えて、日中の活動を規則正しく行うことで、生活のリズムを保つことが大切です。

 

レビー小体型認知症の人では、「レム睡眠行動障害」(RBD)という症状が出てくることがあります(※6)。レム睡眠中は夢を見ていると言われていますが、夢の内容にそって体が動いて歩きまわったり、大声を出したりするのがRBDです。夜間に問題行動があると、ケガの恐れもあり、介護者の負担も大きくなります。


RBDはレビー小体型認知症の大事な症状なので、この症状が出ているようであれば、専門医の受診をお勧めします。20代くらいからRBDの症状がある人もいますが、すぐ認知症になるわけではないので安心してください。

 

まとめ
(1)記憶学習にとって、睡眠はとても大事である
(2)適切な睡眠時間が認知症リスクを下げる
(3)睡眠には脳の老廃物を除去する働きがある
(4)アルツハイマー型認知症では、日中の活動で生活リズムが乱れないようにする
(5)レム睡眠行動障害は、レビー小体型認知症の重要な症状の一つである

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