外出時のマスク着用、もう慣れたとはいえ、やはり憂鬱……
という人も多いのではないでしょうか? 株式会社ロッテが20代~60代の男女400名に行った調査によると、3人に1人がマスク着用による体の不調を感じていることが判明。
そして約半数の人がマスク着用時の健康リスクを理解していないことがわかったのです。そこで今回のテーマは、マスク着用時に起こる様々な症状を及ぼすリスク「マスクシンドローム」。その実態を知れば、今後マスクと上手に向き合えるかもしれません。
※「マスクシンドローム」とは、マスク着用によって引き起こされる症状のこと。肌荒れや口臭など自覚しやすいものから、集中力の低下やうつ病など意識するのが難しいものまで様々な症状を総称。
マスク着用のリスクTOP3は「集中力の低下」「肌荒れ」「咳が増えた」
マスクを習慣的に着用するようになってからの体調の変化について尋ねたところ、「とても感じる」「やや感じる」という人は合わせて32.1%。年代別に見ると、20代女性は50%が何かしらの不調を感じていることがわかりました。
その内容を尋ねてみると最も多かったのが2人に1人が感じている「頭がぼーっとして物事に集中しづらくなった」。そして4割以上が感じている「肌荒れするようになった」「喉が乾燥するようになった、咳が増えた」が続きます。
★マスク習慣化後の体の不調・変化ランキング★ 1位 頭がぼーっとして物事に集中しづらくなった 50.8%
2位 肌荒れするようになった 44.5%
3位 喉が乾燥するようになった、咳が増えた 40.6%
4位 顔にかゆみが出るようになった 38.3%
5位 頭痛やめまいを感じることが増えた 35.9%
6位 ほうれい線、シワ、たるみが目立つようになった 18.0%
7位 便秘になった 18.0%
8位 虫歯・歯周病にかかった 8.6%
マスクによる不調を全く感じない人も約2割
「自分の表情を気にしなくなった」「口呼吸になっている」は要注意!
マスク着用が習慣化したことで、自分で実感している変化について尋ねてみると、「マスク着用時の自分の表情を気にしなくなった」という人は37%。年代別に見ると、最も表情に対する意識が低下した人は20代女性で55%でした。「表情筋の衰え」は、集中力の低下、うつ状態など感情変化、食事中の誤嚥の危険性に繋がるなど様々な危険があると言われているので注意が必要です。
また呼吸法に関しても変化が見られ、44%の人が「口呼吸」をするようになったと答えていることが判明。「口呼吸」は、口内環境の悪化(虫歯・歯周病・口臭)、集中力低下、感染リスクの高まり、表情筋の衰えなど、様々な弊害をもたらす可能性があるようです。
マスクシンドロームへの対策「水分補給」「マスク着脱」「噛むこと」が有効
マスク着用によって引き起こされる症状について尋ねてみると、45%の人が「知ってるものはない」と回答。「マスク生活で行うようにしているもの」も聞いたところ、「特にない」という人が最も多く42%でした。一方で、「こまめに水分補給をするようにしている」を心がけている人は36%と比較的多く、「こまめにマスクを外すようにしている」という人も28%いました。
★マスク着用時、行うようにしていること★ ・こまめに水分補給をするようにしている 36.0%
・こまめにマスクを外すようにしている 28.0%
・飴を舐めるようにしている 9.0%
・着用するマスクを変えた 8.8%
・ガムを噛むようにしている 7.5%
・錠菓やタブレットを食べるようにしている 7.3%
・マスクに香りづけをしている 4.0%
・口や表情を大きく動かす体操をしている 3.8%
・こまめにマウススプレーを使うようにしている 2.5%
・マスクのゴムと耳の間に何か挟んでいる 1.3%
・マスクの冷間シートを使っている 1.0%
・特にない 42.0%
みらいクリニック今井一彰院長によると、多くの人が実践している「こまめな水分摂取」や「こまめなマスクの脱着」を心がけることはマスクシンドローム対策にかなり有効的とのこと。さらに合わせて考えたいのが、「顔の筋肉を使うこと」なんだとか。
「マスクの着用時に簡単に行えるのは“噛むこと”が挙げられます。気軽に咀嚼できる環境をつくることもセルフケアの一つとして推奨します」(今井院長)。その他にも、舌を回す運動や、マスクが汚れないよう、口を「い」と「う」のかたちに大きく動かす運動もおすすめだそうです。
コロナ禍においてマスクの重要性は高まり、1日にマスクを着用している時間はとても長くなっています。感染リスクを下げるためにはもちろんマスクをすることは大切ですが、一方で私たちの心身に多くの症状を及ぼすリスクがあることも忘れてはいけません。マスク生活において、まずは簡単にできるセルフケアを日ごろから心がけるといいでしょう。