セラピストGoGo

Washizu Go(わしず ごう)1990年静岡生まれ。平成25年理学療法士免許取得。ヨガインストラクター。パワーリハビリテーション研究会研修終了。大学との連携で運動プログラムの提供、「運動」と「笑い」で健康寿命を延ばす施設。AOIデイサービスの施設長として勤務。

【健康長寿】血液の改善が長生きのポイント!?

 長生きする人と長生きしない人は、一体どこが違うのか──この問いをめぐって、これまで様々な研究がなされてきた。高齢社会の到来とともに長寿の謎が少しずつ解き明かされるなか、慶應義塾大学医学部教授らが「血液」に関する画期的な発見をした。

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 大規模な長寿研究をしている慶應義塾大学医学部・百寿総合研究センターの新井康通教授らは、10月に「100歳以上の高齢者の血液」をテーマとして学会で発表。その研究によると、血液検査の項目である「NT-proBNP」と「アルブミン」が高齢者の寿命を決める要素になっているとみられるという。

 
 NT-proBNPは、心臓に負担がかかった際に分泌される“BNP前駆体ホルモン”がもととなる物質で、心臓の機能が低下している人ほどNT-proBNPの数値が高くなる傾向にある。

 

「アルブミン」は、タンパク質の一種で、栄養状態がわかるもの。基準値(単位・g/dl)は各種機関によって異なるが、概ね4以上だと正常値で、3.5以下は低栄養状態の異常値とされる。

 

 健康長寿を実現するために、我々は今回の研究をどのように活かせばいいだろうか。まず行ないたいのが血液チェックだ。

 

 多くの中高年患者を診てきたAIC八重洲クリニック循環器内科科長で医学博士の手塚大介医師が解説する。

 

「NT-proBNPは心不全が疑われるケースで診断の入り口として検査されることが多く、一般の健康診断の項目にはない場合もありますが、事前に病院に伝えれば数値を出してもらえます。特に急な息切れや下腿のむくみが気になるといった場合はNT-proBNPが上昇している可能性があるので、病院で検査してほしい。

 

 アルブミンは基本的な血液検査の一項目で、一般の健康診断で測定されます。人間ドックの検査結果を見れば、記載されているはずです」

 

 現時点で2つの数値が悪くても過度な心配はいらない。食事や生活習慣次第で、数値は改善させることができるからだ。手塚医師が語る。

 

「NT-proBNPの数値改善に効果的なのが、キュウリやレタスです。NT-proBNPは塩分の摂り過ぎなど血圧が上がることで上昇しますが、これらの野菜には塩分の排出作用を持つカリウムを多く含みます。カリウムは水溶性なので茹でたり煮たりせず、生の野菜を食べると効率的に摂取できます」

 

 ほかにもカリウムを豊富に含むスイカや切り干し大根なども効果的だという。

「NT-proBNPの数値は心肺機能に密接に関係しているので、軽めのジョギングやウォーキングをするのも良いでしょう」(手塚医師)


大豆ミートも効果的
 アルブミンを上げるため必要なのは、タンパク質の摂取だ。共同研究者のひとりで、熊本大学大学院生命科学研究部の尾池雄一教授が語る。

 

「我々医師は若い患者には動脈硬化や糖尿病にならないよう、『高カロリーとなる食べ過ぎはダメ』と注意しますが、高齢者はむしろ痩せることが怖いので、特に80歳を超えた人にはタンパク質をしっかり摂取するよう指導しています。しっかり肉や魚を食べることが重要です。もちろん、米やパンなど炭水化物もバランス良く食べましょう」

 

 肉のほかにも、タンパク質の豊富な食材を知っておきたい。

「高齢になると咀嚼力や歯の問題があり、どうしても肉が食べられないと訴える人もいます。その場合は刺身や豆腐などからタンパク質を摂ったり、大豆ミートのような代替肉を活用するのも手です。プロテインなどのサプリメントを用いて、効率的にタンパク質を摂取すると、アルブミンの数値も改善していきます」(尾池教授)

 

 特に、「加齢により心身が老い衰えた状態』であるフレイルに陥るとアルブミンの数値は大きく下落するので、日常生活で体を動かすことも重要だ。手塚医師が語る。

 

「体操やウォーキングなどの有酸素運動と、筋肉量の多い下半身の大腿筋、腹筋、上腕の筋力トレーニングを組み合わせて行なうと効果的です」

 

 現在、日本全国に住む百寿者はおよそ8万6000人。その数は増え続けており、平成の30年間で約23倍となった。その約9割は女性だが、この先、男性の百寿者がますます増えていくと予想される。

 

「今の百寿者に女性が多いのは、同じ年代の男性の多くが先の戦争で亡くなった影響が少なからずある。団塊の世代は男性の人数が多く、この先は百寿者の男性がかなり増えていくはずです。

 

 加齢によって身体機能の低下は避けられませんが、今回の研究から明らかになったNT-proBNPやアルブミンの数値に注目して、100歳のさらに先をめざしてほしい」(尾池教授)

 

 偉大な先人の「血潮」を見倣えば、健康長寿への道が開けてくる。

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