楽しみながら歩いても、義務的に歩いても、得られるメリットは同じだろう。
しかし防医療専門誌『The American Journal of Preventive Medicine』に掲載された研究論文によると、これらのメリットは全然違うという。ウォーキングなどのスポーツを空いてる時間に行えば、心が健康的になるようだ。今回は、暇な時間に運動をすることがなぜ健康につながるのかについてご紹介。
「余暇として体を動かすことや、楽しみとしてウォーキングをすることが多い人は、そうでない人よりもメンタル面の健康状態が良いようですね」と話すのは、この論文の筆頭著者で英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン生涯健康・老化医学研究審議会の統計学者、ステファニー・ブラック。
キーワードは“余暇”。60~64歳の1,900名以上を対象とした今回の研究結果は、ただ体を動かしても気分はそれほど向上しないことを示している。ブラックは、日常的な身体活動と余暇で行う身体活動が、どちらも心の健康に良いだろうと仮定していた。
「でも、心の健康とつながっているのは、余暇や娯楽としての運動やウォーキングだけでした」。この違いはどこから来るのだろう。ブラックいわく余暇であれば運動を好きな時間にできる。確かに、パートナーと夕食後に散歩するのは、家事や通勤などといったとくにメリットのない身体活動と全然違うだろう。
余暇に体を動かせばメンタルヘルスが向上し、不安や気分の落ち込みが改善することを示した研究結果は過去にもあるようだ。しかし幸せな人は、基本的にアクティブだから幸福度が高いのかはハッキリと分からないという。いずれにせよ、楽しい気持ちで体を動かせば、そうでない人よりも心の健康状態が良くなることは間違いないだろう。