緑茶とコーヒー。
どちらも健康によいことが明らかになりつつあり、ダイエットやメンタル面での効果だけでなく、がんなどの病気に効く、健康寿命が延びるという研究結果さえ出ています。
そんななか、さらに両方を一緒に飲んだときの健康へのメリットが日本の研究から明らかになりました。これは相乗効果といえるかもしれません。
一緒に飲むとどうなる?
カフェでほっと一息。コーヒーは気持ちを和らげるばかりでなく、ダイエットを助けてくれるといった効果も報告されています。緑茶についても、がんの予防につながるという研究や、最近では新型コロナウイルスに影響するといった研究結果の報道も。
そんな緑茶もコーヒーも、成分の抗酸化物質や抗炎症性物質のおかげで、生活習慣病を防ぐ効果があり、死亡リスクを減らすという報告が出てきているのです。今回、九州大学など日本の研究グループは、生活習慣病のひとつである糖尿病の人を対象として、緑茶とコーヒーが死亡リスクに与える影響を調べてみました。
糖尿病の人を対象にした薬物療法とライフスタイルが寿命に与える影響を調べている福岡の研究から、5000人近くを5年間追跡した結果について分析しました。
緑茶とコーヒーの摂取量を含む58項目の食事アンケートや、運動、喫煙、飲酒、睡眠時間などのデータに加えて、身長および体重と血圧の測定、血液と尿の検査により、寿命に関係する病気についても考慮しました。追跡期間中に309人が亡くなり、主な死因はがんと心臓・血管の病気でした。
摂取量によって死亡リスク低下
こうしてわかったのは、まず緑茶とコーヒーのどちらか、または両方を飲んでいる人ほど死亡リスクが低いということ。さらに両方をたくさん飲んでいる人の場合、死亡リスクが最も低くなりました。
具体的に見ていくと、どちらもまったく飲まない人と比べた場合の死亡リスクは、緑茶を毎日1杯飲む人で15%、2〜3杯で27%、4杯以上で40%低下。コーヒーでは毎日1杯未満で12%、1杯で19%、2杯以上で41%低くなりました。
さらに、緑茶を毎日2〜3杯とコーヒーを2杯以上飲む人は死亡リスクが51%低下し、緑茶を4杯以上とコーヒーを1杯飲む人は58%、緑茶を4杯以上とコーヒーを2杯以上飲む人は63%低くなりました。
研究グループは、両方の効果は足し合わされるようだと結論づけています。どんな因果関係があるのかはまだ謎ですが、両方を飲むとお得といえそう。緑茶とコーヒー、どちらかに偏るのではなく、時間やシチュエーションを分けるなどして両方楽しむといいかもしれません。