女性にとっては大敵になる冬の冷え。
手足が冷たかったり、体がなかなか温まらないと悩んでいたりするならば、今回の報告は朗報になるかもしれません。
海外の研究グループが、ビタミンAを摂取することで、脂肪燃焼の効果が得られると報告。ふだんの食事にとり入れる食材を考えるときの参考になるかもしれません。
冷え性の悩みを解決するには?
ガスコンロをはじめ暖房機器も手がけているリンナイの行ったアンケート調査によると、女性の回答者のなかで自分が冷え性だと感じると答えた人の割合は8割に上る結果に。
男性の4割と比べて大幅に高い結果です。体の冷えは手足のしびれや疲労感などにつながります。冷えがひどければ、日常生活には大きな障害にもなり得るでしょう。
そんな体の冷えに関連して、オーストリアのウィーン大学の研究グループは、「褐色脂肪」の機能に注目し、体を温める栄養素の効果を調べています。というのも、体内には2種類の脂肪があると知られています。
体の脂肪の大部分を占めているのはお腹や太ももなどにつく色の白い「白色脂肪」でエネルギーをあまり燃やしません。一方で、エネルギーを積極的に燃やして熱を発生させているのが褐色脂肪です。
研究グループはビタミンAが、脂肪の性質を変える可能性を想定。エネルギーの消費が悪い白色脂肪を、エネルギーを盛んに消費する褐色脂肪に変える効果があると考え、研究で体を発熱させる効果を確認しています。
体の発熱をうながすように
ここからわかったのは、ビタミンAの作用によって発熱がうながされるようだということ。褐色脂肪が増え、新陳代謝が活発になって、エネルギーの消費が増加したからです。動物実験による結果ですが、たしかに体の熱の発生が増える結果が示されました。
研究グループが調べたところでは、ビタミンAが細胞レベルで機能を発揮し、こうした脂肪の変化を引き出していると見られました。
ビタミンAは、レバーのほか、緑黄色野菜などの食材に豊富だと知られます。冷え性であるならば、ふだんの食事にビタミンAの豊富な食品を積極的にとり入れるとよいかもしれません。