東京都健康安全研究センターが発表した「東京都インフルエンザ情報」によれば、50週(2019年12月9日〜12月15日)のインフルエンザ患者報告数は6,972人で、定点当たり16.84人だった。
ちなみに昨年同期では定点当たり2.68人であり、今季の流行度合いを顕著に示している。また全国の定点当たり患者報告数は定点当たり15.62人と、こちらも高い。
このようなインフルエンザ流行の要因の一つとして考えられるのが、昨年9月から開催されたラグビーワールドカップだ。
というのも世界各国からラグビーファンが訪れて大いに盛り上がった一方で、ラグビーが盛んなオーストラリアなどがある南半球からの訪日外国人がウイルスを持ち込んだ可能性があるからだ。
インフルエンザの流行は世界中を循環しており、冬場は北半球、夏場は南半球で流行する。
潜伏期間は最長で5日とされおり、感染していても入国時に症状がなければ検疫で止められることはまずないため、インフルエンザウイルスが日本に持ち込まれてしまった可能性もあり得るというのだ。
また風邪やインフルエンザなど、病気を引き起こす感染症の多くは、“手”を介して体内に侵入することが多いと言われている。風邪やインフルエンザの流行期には、ドアノブや電車のつり革など、様々な場所にウイルスが付着。
そのような場所を触った手で、自分の眼や鼻、口を触ったりすることで、ウイルスが体内に侵入してくるため、手からの侵入を遮断する「手洗い」がとても大切になるというわけだ。
そして近年、注目されているのが緑茶によるうがいだ。というのも、インフルエンザウイルスの表面は、スパイク状の突起を持つ糖タンパク質で覆われており、緑茶に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンは、この突起に取り付くことによって、インフルエンザウイルスがヒトの細胞に吸着するのを阻止。細胞内での増殖や細胞外への感染拡大を阻止する。これは、細胞レベルの研究で確かめられている。
また子どものインフルエンザ対策として、 静岡県立大学の山田浩教授が行った、静岡県菊川市の全小学校児童を対象にした緑茶飲用の調査研究によると、インフルエンザの発症は、緑茶の飲用習慣が1日1杯(200ml)未満の小学生と比べて1日1~3杯で38%、1日3~5杯では46%の減少が見られという。