冬の寒い日は、トイレが近くなりがちです。
どうしてそうなるのか、また対策について、湧永製薬学術・営業薬制部に伺いました。
いわゆる頻尿(ひんにょう)は、気温の変化にあわせた自然な反応で、それにはいくつかの原因があるようです。
体の水分と血液量が増え、交感神経の働きが強まる寒いとトイレが近くなる原因は3つあると言います。
まず、暑いときに比べると、汗や水蒸気となって体から出て行く水分が減り、体の水分が多くなりすぎるから。
次に、手足など体の末端の血管が縮むので、体の中心の血液量が増えて、それを減らそうとするから。
そして、寒さが刺激となって、おしっこを出そうとする交感神経の働きが強くなるから。以上の3つの原因が考えられています。
誰でも寒いときにはトイレが近くなりがちですが、より強い傾向の人もいるようです。
とくに、冷え性、運動不足、妊娠中や、強いストレスを感じている、コーヒー、紅茶、お茶などカフェイン入り飲料やビールなどお酒をたくさん飲む人に強い傾向です。
また、降圧剤など利尿作用の強い医薬品を服用していたり、更年期障害、前立腺肥大、膀胱炎や尿道炎など細菌感染症にかかっていたり、糖尿病、尿道結石だったりしている人は、頻尿が症状のひとつとして現れます。
「肛門締め運動」で頻尿予防
日常生活のなかで、頻尿を予防・解消するためにはいくつかのポイントがあります。
「まず、体を冷やさないこと。寝るときにレッグウォーマーや肩当てをするなど、衣類を工夫しましょう。そして、水分摂取は適度にして、摂りすぎないことも重要です。コーヒーなど、カフェインを含む飲料も控えましょう。
さらに、体の中から温めることも大切です。少し大股のウォーキングなど、筋肉を使った適度な運動も効果があります。体を温める素材を使った温かい食事を摂り、ゆったりとした入浴も心がけましょう。過度なダイエットを避け、ストレスを溜めず、ぐっすり睡眠を取りましょう。頻尿の原因となる病気、基礎疾患は早めに治療します。
尿道括約筋(かつやくきん)を鍛えることは、頻尿の予防に効果があります。『肛門締め運動』で尿道の周りの筋肉を鍛えましょう。臀部(でんぶ)の筋肉でなく、へそに向かって持ち上げるイメージがポイントです。
また、『トイレに行きたいな』と思っても、10分間ほど我慢してみましょう。膀胱の蓄尿量が増える効果につながります」
寒いとトイレが近くなりがちな人は、紹介した予防法を試してみてください。冬のストレスをひとつ解消できるかもしれません。