そもそも睡眠時間は足りている?
睡眠障害には80以上のタイプがあるけれど、一般的なのは以下の4つという。
・不眠症
・ナルコレプシー
・睡眠時無呼吸症候群
・むずむず脚症候群
米南カリフォルニア大学ケックメディカルスクールの臨床医学准教授で睡眠エキスパートのラジュ・ダスグプタ医学博士によると、不眠症は一番診断が下しやすいという。つまり、不眠症は自覚できる可能性が高いということ。米メイヨー・クリニックによると多くの大人は、ストレスやトラウマ的な出来事のせいで一生に一度は短期的な不眠症を経験するそう。不眠症で日中の生活に支障が出るなら病院へ。
不眠症以外の他の3つの睡眠障害は、特徴的な症状を持つけれど診断が難しいそう。睡眠障害の特徴は?次の質問で症状の有無を確かめよう。以下の情報は診断ツールではないけれど、これを使えば医師に症状を説明するのが楽になるかも。
ナルコレプシー
以下の状況で眠りに落ちる可能性が「まあまあ/とても高い」場合、その数を数えて。
1.本を読んでいるとき
2.テレビを観ているとき
3.公共の場で静かに座っているとき
4.乗客として車に1時間以上乗っているとき
5.横になって午後の昼寝を取ろうとしたとき
6.座って誰かと話しているとき
7.ノンアルコールのランチを終えて静かに座っているとき
8.運転中に青信号を待っているとき
成人向けナルコレプシー症状検査のホームページによると、いくつか前項の項目が当てはまる人は、ナルコレプシーの症状トップ5の1つである「日中の過剰な眠気」に襲われているかもしれない。
他の4つの症状として、
1.夜の眠りが浅い
2.脱力発作(目が覚めているときに突然どうしようもなく力が抜けたり、しびれたりすること。興奮や怒りといった強い感情が引き起こす)
3.睡眠まひ(眠りに落ちるときや目が覚めるときに体を動かしたり話したりできなくなること)
4.眠りに落ちる際の幻視もある。
米国立神経障害・発作研究所によるとナルコレプシーは、脳が体の睡眠・起床サイクルを管理できなくなる神経障害という。ナルコレプシーの患者は日中に異常な眠気を感じ、運転や会話の途中でも突然眠りに落ちてしまうそうだ。睡眠まひ、脱力や筋肉制御の喪失が現れることもある。
閉塞性(へいそく)睡眠時無呼吸症候群
1.声よりいびきの方が大きかったり、ドア越しに聞こえるくらいいびきがうるさかったりしますか?
2.日中に疲労や眠気を感じることが多いですか?
3.睡眠中に呼吸が止まるとパートナーに言われたことはありますか?
4.高血圧ですか?
5.肥満度指数(BMI)が30以上ですか?
6.50歳以上ですか?
7.首の周囲が40cm以上ありますか?
8.男性ですか?
米クリーブランド・クリニックによると、前項の項目にYESが3つ以上ある人は閉塞性睡眠時無呼吸症候群のリスクが高いそうだ。喉の奥の軟組織がたるみ、気道をふさぐことに原因があるという。睡眠時無呼吸症候群では、睡眠時の呼吸が一時的に中断するため、息が苦しくて多少なりとも目が覚める。この一時的な無呼吸状態は10秒以上続き、ひと晩中繰り返されるそう。
むずむず脚症候群
1.横になっていると、脚がむずむずして眠れませんか?
2.横になったり長時間座ったりしていると、脚がむずむずしたり、うずいたり、引っ張られるような感じがしたり、痛くなったりすることはありますか?
3.夜になると、脚のむずむずは悪化しますか?
4.脚を蹴ったり、歩いたり、伸ばしたりすると、一時的にむずむずが治まりますか?
YESが1つでもある人は医師に相談を。
むずむず脚症候群では、その名の通り、どうしても脚を動かしたいという強い衝動に駆られる。症状は夜に出るのが一般的だという。
厳密に言うと、むずむず脚症候群は睡眠障害に入らないそう。でも、それが不眠症や日中の眠気を引き起こすこともあるので、ダスグプタ博士を含む睡眠専門医のグループは、むずむず脚症候群を睡眠障害に入れているようだ。
どうなったら病院へ?
「日中の眠気が仕事、学校、人間関係、社会交流に影響を与えているなら、睡眠障害の可能性を疑った方がいいでしょう」とダスグプタ医師。睡眠の質の低下は全身に悪影響を与えるので、質の高い睡眠を優先することが大切。睡眠障害は記憶障害、判断力の低下、仕事のミス、ケガなどにつながりかねない。
睡眠障害の症状が出ていると思うなら、迷わず医師に相談を。