セラピストGoGo

Washizu Go(わしず ごう)1990年静岡生まれ。平成25年理学療法士免許取得。ヨガインストラクター。パワーリハビリテーション研究会研修終了。大学との連携で運動プログラムの提供、「運動」と「笑い」で健康寿命を延ばす施設。AOIデイサービスの施設長として勤務。

【冬はヒートショックに注意】入浴時に気を付けたいこと!?

朝晩の冷え込みが気になる季節になりました。そろそろ衣替えや、暖房器具の用意を始めたご家庭も多いかもしれませんね。

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「ヒートショック」という現象をご存じでしょうか。

ヒートショックは、急激な温度の変化によって、血圧が大きく上下することで起こり、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす、とても危険な現象です。11月~3月の寒くなる時期に起こりやすいとされ、年々増加する高齢者の浴槽内での溺死・溺水の多くの原因であると考えられています。(※参考:消費者庁資料)
 
そこで今回は、筆者が、介護施設でおこなっていた「ヒートショック」の対策を9つ紹介し、介護福祉士ならではの入浴方法・介護方法をアドバイスしていきます。

 

どれも簡単にできる対策です。ぜひご家庭で参考にしてみてください。

 

「ヒートショック」を防ぐ9つの対策とは
① 入浴は食後1時間以上あけ、血圧を確認してから。
食後1時間以内の入浴は、控えるようにしましょう。

 

食べ物を消化するとき胃に血液が集中するため、血圧が低くなることがあります。低血圧状態での入浴は、さらなる血圧低下やめまい、貧血などを引き起こすため、できるだけ避けるのがベストです。

 

また、入浴前には必ず血圧を測るようにしましょう。高齢者は、元気そうに見えても血圧が正常値でない場合があります。極端に血圧が高かったり、低かったりすれば、「ヒートショック」を起こしやすい状態です。

 

血圧が正常であることを確認してから、入浴することが大切です。

② 脱衣室と浴室を暖めておく
部屋の急激な温度差は、血圧の大きな変動につながります。前もって脱衣室と浴室は暖め、高齢者の体に負担をかけないようにしましょう。

 

脱衣室だけ暖めても、浴室に入ったら寒いのでは、効果はありません。どちらか一方ではなく、必ず、脱衣室と浴室どちらも暖めるようにしましょう。

 

③ シャワーチェアを温めておく
シャワーチェアなどに座って体を洗う高齢者も多いですが、入浴直前にお湯をかけて温めておくと良いです。
 
シャワーチェアは冷たくなりやすく、座った際にその冷たさに驚いたり、体が冷えたりすることで、血圧が高くなることがあります。入浴の5分~10分前にお湯をかけておいても、いざ座るときには冷たくなっていたのでは意味がありません。

 

高齢者が服を脱ぎ終わり、浴室に入る直前にお湯をかけて温めましょう。

④ シャワーの温度は、介護者が最初に必ず確認する
シャワーの出始めが、水のように冷たかったという経験はありませんか?

 

お湯として出てくるまでに少し時間がかかる場合があるため、必ず介護者が入浴前にシャワーの水を出し、温度を確認しておきます。

 

高齢者がいきなりシャワーを体にかけてしまい、水だった場合、心臓に大きな負担がかかります。血圧が急激に上がり、倒れてしまう可能性もあるため、シャワーの温度には細心の注意を払いましょう。

 

また、途中でシャワーが急にぬるくなったり、水になったりすることがまれにあります。介護者が体を洗ってあげる場合は、シャワーヘッドの近くを持ち、人差し指や中指がお湯に触れるようにして、常に温度を確認しながら介助しましょう。

 

⑤ お湯は心臓に遠いところからかける
お湯をかける際は、手や足などといった、心臓から離れたところからかけましょう。急に心臓付近にお湯をかけてしまうと、体が驚き、血圧が急激に上がる可能性があります。体の末端からお湯をかけ、徐々に腕や太もも、お腹、肩、背中というように心臓に近づけていきます。

 

昔からの習慣で、最初に心臓付近にお湯をかける高齢者も少なくないため、介護者は「足からかけてね」などと声かけをすると良いです。
 
⑥ お湯の温度は38℃~41℃に
お湯の温度は高くしすぎないようにしましょう。42℃以上のお湯に浸かると、交感神経が優位になり、血圧が上がりやすいためです。

 

気温が低くなってくると、高齢者に風邪をひかれないようにと、お湯の温度を高く設定する人もいるでしょう。熱いお湯を好む高齢者も多いですが、体への負担を一番に考えた温度で入浴してもらうことが大切です。

 

⑦ 入浴中は肩に温かいタオルをのせる
入浴中、肩だけがお湯から出てしまうことが多くあります。このとき、少し長めのタオルをお湯で濡らし、肩にかけてあげるのがおすすめです。

 

高齢者は感覚が鈍いこともあり、41℃以下のお湯では寒さを訴えることがあります。お湯の温度を上げれば体に負担がかかるため、お湯から出てしまっている部分を温めるなど別の工夫をしましょう。

 

タオルは少し時間が経つと冷たくなり、体を冷やしてしまう場合もあるので、介護者はタオルが冷たくならないよう、定期的にお湯でタオルを温めましょう。

 

⑧ 勢いよく浴槽から立ち上がらない
浴槽から出るときは、ゆっくり立ち上がりましょう。

 

勢いよく立ち上がると、急激に血圧が低下し、脳貧血のような状態を引き起こすことがあります。そのまま意識をなくして倒れてしまう、倒れた拍子に溺れてしまうということも考えられます。
 
介護者は、高齢者がそろそろ浴槽から出そうだと感じたら、「ゆっくり立ち上がってね」などと声をかけて意識してもらいましょう。

 

⑨ 入浴後は体を冷やさないよう服装に注意
お風呂から出ると緊張感がなくなり、対策を怠ってしまうことがあります。脱衣室は暖かいからと、薄い洋服を着たり、上着を着なかったりすると、廊下などに出た際、気温差で急激に血圧が上がる可能性があります。

 

居室は暖かくできても、廊下まで暖めることは難しい場合も多いです。入浴後にも危険があることを忘れずに、脱衣室から出ても寒くない服装を心がけましょう。


「ヒートショック」は、持病がない高齢者でも起こりやすいものです。とくに冬は、血圧の急激な変動に注意しなければなりません。

 

今回紹介した9つの対策は、1人で入浴をしている高齢者にでも、おこなえるものが多いです。介護をしている人と、高齢者自らが意識して心がけることで、「ヒートショック」は防ぐことが可能です。入浴前、入浴中、入浴後と常に対策をおこない、安全に気持ちよく入浴できるようにしましょう。

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