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Washizu Go(わしず ごう)1990年静岡生まれ。平成25年理学療法士免許取得。ヨガインストラクター。パワーリハビリテーション研究会研修終了。大学との連携で運動プログラムの提供、「運動」と「笑い」で健康寿命を延ばす施設。AOIデイサービスの施設長として勤務。

【秋も注意】秋でも起こる「かくれ脱水」に注意!?

熱中症の6割が高齢者!秋でも起こるかくれ脱水とは!?

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医療機関の初診時における傷病程度別の割合は、軽症(外来診療が必要な状態)が62.5%(5,246人)で、中等症(入院診療が必要な状態)が34.2%(2,868人)、重症(長期入院が必要な状態)が2.3%(192人)となっています。

 
全体としてみると軽症が最多となっているものの、病院への入院を必要とする中等症以上の患者は約4割も占めていました。今年の7月は昨年に比べ、熱中症で救急搬送される人の数自体は大幅に減っていますが、やはり重い症状で搬送される人や入院を余儀なくされる人は一定数いるわけです。

 

特に気をつけたいのは高齢者。今回の調査結果でも、7月に救急搬送された年代として最も多かったのは65歳以上の高齢者で、全体の58.5%(4,909人)と約6割を占めていました。割合も、昨年度から5%上昇しています。

 

緊急搬送された人の年代別割合は、18~65歳の成人が32.2%(2,698人)、7歳~18未満の少年が8.8%(741人)、生後28日~7歳未満の乳幼児が0.5%(39人)であったことを踏まえると、高齢者が熱中症となる割合が高いことがわかるでしょう。
出典:『令和2年7月の熱中症による救急搬送状況』(総務省)を基に作成 2020年9月10日更新


熱中症を引き起こす原因は主に「環境」と「体」で分けられる
熱中症とは、体温が上昇して体内の水分や、塩分バランスが崩れたり、体温の調節機能が働かなくなることで、めまいやけいれん、頭痛などさまざまな症状が起こる病気のこと。熱中症の症状は重症度の度合いにより、以下のようにⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類されています。

Ⅰ度…軽傷。現場でも応急処置ができる軽度の症状
Ⅱ度…中等症。病院に搬送する必要がある症状
Ⅲ度…重症。入院して集中治療を受ける必要がある症状
 
熱中症が生じる要因は、大きく分けて「環境」によるものと「体」によるものとの2種類があります。

 

環境が要因となるのは、患者が「気温や湿度が高い場所」や「風が弱い場所」、「日差しが強い場所」などで過ごしたときです。日差しの強い運動場や公園、プール、駐車場の車の中や体育館などをはじめ、家の中でも熱中症は発生します。

 

一方、体が要因となるのは、激しい運動によって体内に多くの熱が発生した場合や、暑さに体が慣れていないとき、疲労や寝不足によるものです。環境と体の要因が重なるとより発症しやすくなるため、気温が高い時間帯は常に注意しましょう。


熱中症の高齢者が多いのはエアコンをつけていないから
熱中症が発生した場所の約4割が「住宅」
熱中症というと屋外で起こるというイメージがありますが、実際には屋内の、しかも一般的な住居で発生していることが多いです。

 

先述した総務省の資料によれば、熱中症の発生した場所で最も多いのは「住居」で、全体の38.2%(3,202人)と約4割も占めていました。なぜ、安全とも思われる住居においてこれほど熱中症が起こるのでしょうか。

 

その大きな要因となっているのが、住居内でのエアコンの未使用です。東京都福祉保健局が東京23区を対象にまとめたデータ『令和元年夏の熱中症死亡者数の状況』によると、 2019年の夏季の屋内で死亡した熱中症患者のうち、85%はエアコンを使用していなかったのです。
出典:『令和元年夏の熱中症死亡者数の状況』(東京都福祉保健局)を基に作成 2020年9月10日更新


同じ年に熱中症で死亡した人の89%が高齢者であったことを踏まえると、このエアコンをつけていなかった人の大半が高齢者であるとも考えられます。では、高齢者が熱中症になるまでエアコンをつけないのはなぜでしょうか。

 

その理由の1つが、高齢者の身体的特徴によるものです。一般的に高齢者は、加齢による影響で温度を感じる体の感覚が鈍くなると言われています。そのため暑さを感じにくくなりエアコンをつけない状況が起こりやすいというわけです。


節約の意識からエアコンをつけない高齢者も
高齢者がエアコンをつけないもう1つの大きな理由が、節電意識の高さです。ロイヤリティ マーケティングが公表している『2019年7月「暑さ対策」に関する調査』によると、「家に一人でいる時はエアコン(冷房)の使用を控えている」に「よくする」「たまにする」と回答した人の割合は、年齢に比例して上昇しています。
出典:『2019年7月「暑さ対策」に関する調査』(ロイヤリティ マーケティング)を基に作成 2020年9月10日更新


ところが「よくする」「たまにする」と回答した人のうち、「実際に熱中症になったことがあるか」をアンケートしたところ、意外にも全世代において高齢の60代が一番少ない数値となっていました。

 

しかし調査結果によると、これは高齢者が熱中症になっていないわけではなく、器官が衰えているために起こる「隠れ熱中症」によるものだと説明されています。自覚症状がないまま熱中症になっている高齢者が、実は多いというわけです。

 
さらに注目すべきデータもあります。みずほ情報総研が2015年に発表した『「シニア層の節電実態」に関する調査結果』によると、電気代の節約に気を使っている高齢者ではありますが、それに相反して電気代の消費量はなんと若者の約2倍。実はきちんと節電ができていないのです。

 

これは高齢者が若者に比べて、エアコンなどの家電製品を最新の省エネ仕様のものに買い替えていないためと推測されてます。


秋になっても「かくれ脱水」に注意
エアコン以外での熱中症対策
屋内の熱中症対策として、エアコンの利用以外にも「部屋の風通しをよくする」「扇風機や送風機を使う」「涼しい服装で過ごす」など、屋内で行える熱中症対策はいろいろとあります。中でもこまめに水分補給をすることが重要です。

 

とはいえ室内の熱中症対策で最も効果的な方法の1つは、エアコンをつけることです。厚生労働省は2018年に、生活保護受給者に対してエアコンの購入費用を支給することを決めており、今や日本においてエアコンは生活必需品であり、娯楽品や贅沢品ではないわけです。

 

ところが現状では、先述したように不必要なほど過度な節電意識が影響し、エアコンの使用を控える高齢者が多いのも事実。「エアコン」と「高齢者」がうまく付き合っていく方法を考えることが、高齢化が進む日本の熱中症対策において、大きなカギを握っているといえます。この点は行政側もより積極的な対策を講じるべきではないでしょうか。


「かくれ脱水」から高齢者を守る
もうすぐ秋となりますが、だからといって熱中症にならないというわけではありません。特に高齢者の場合、これからの時期は「かくれ脱水」に注意する必要があります。

かくれ脱水とは、脱水症に近い症状なのに、本人や周囲の人間が気づかないために有効な対策を取れていない状態のこと。症状としては下記が該当します。

 
頭がぼーっとする
汗を大量にかく
集中力が低下する
のどが渇く
立ちくらみがする など
こうした兆候に本人・周囲が気づけないことも少なくありません。本格的な脱水症になる前の段階で有効な対策を取らないと、症状が一気に重篤化する恐れがあります。

 

かくれ脱水を予防するには、高温多湿を避けるなど生活環境を改善したり、外出時に外気との温度差のある環境(列車内やスーパーなど)で体温調節の工夫したり、食事で体力をつけることが大切です。

 

今回は熱中症の問題を考えてきました。コロナ禍により外出時間が減っている人も多いと思いますが、屋内での熱中症・脱水症には十分注意しましょう。

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